診療科のご案内 小児歯科

概要

乳幼児から小・中学生の学童期までの小児を対象に、その時期にみられるさまざまな問題に対応し、健全な永久歯列と口腔機能を有した子どもたちを育成することを目標にしています。そのために、乳歯・幼若永久歯のう蝕(虫歯)、歯周疾患、歯の外傷の予防・治療、小児口腔外科処置(嚢胞摘出、小帯切除、埋伏過剰歯抜歯)を始め、歯列やかみ合わせの育成など、長期にわたって口腔内管理を行っています。これらの診療は、日本小児歯科学会認定の専門指導医4名、専門医1名を含む小児歯科診療を専門に研修したスタッフが診療しています。
小児歯科は、子どもたちにとって「初めての歯科診療の場」ですので、とても不安であり「怖い」というイメージをいだいています。私たち医療従事者はできるだけ子どもたちに優しく接し、言葉がけを多く行い、診療室も明るいイメージをいだいてもらえるようにしています。当初、怖がっている子どもたちも数回目の来院時には、上手に診療に臨めるようになることが多いです。歯科治療に対する恐怖心の強い子どもたちには、笑気吸入鎮静法や全身麻酔を用いて、治療を行っています。肉体的、運動機能的、精神的にも成長発育過程にある小児の特性を考慮し、それぞれの時期に対応した診療をするようにスタッフ一同努めています。

小児歯科受付

小児歯科受付

(左:外傷による脱臼歯、右:ワイヤによる脱臼歯の固定)

(左:外傷による脱臼歯、右:ワイヤーによる脱臼歯の固定)

(左:反対咬合、右:ムーシールドによる治療後)

(左:反対咬合<こうごう>、右:ムーシールドによる治療後)

外来担当表

対象となる疾患・症例

  • う蝕(虫歯)の予防・治療
  • 歯列・咬合<こうごう>育成
  • 小児の外傷歯処置
  • 埋伏<まいふく>過剰歯・歯牙腫・粘液嚢胞<のうほう>などの摘出
  • 全身麻酔のもとでの集中歯科治療

検査・治療法の特徴

小児は成長発育を継続しているため、成人とは異なるさまざまな情報が必要となります。医療面接、全身診察、頭部・顔面・顎<がく>関節の診察、口腔の診察、エックス線検査、歯列模型分析、ブラッシング調査、う蝕(虫歯)活動性検査などによる情報です。
治療法も小児の成長発育のステージに応じたものでなければなりません。かみ合わせの育成、う蝕(虫歯)予防・治療、口腔外科処置、外傷の予防・処置などすべて小児の健全な歯列・咬合<こうごう>育成につながります。

診療実績

年間外来患者数:7,089名(1日平均患者数約29名)
(2023年度実績)

当科で実施している自由診療について

1. 咬合誘導治療:機能的矯正装置:ムーシールド

【治療の概要】
反対咬合(受け口)の治療に使用するマウスピース型の装置です。舌や口の周りの筋肉の機能異常が原因で起こる反対咬合に使用します。お子様の歯のレントゲンや顎のレントゲンを撮り、さらに歯型を採って診査・診断後、ムーシールドの適応であると判断されたら使用します。この装置はお子様ご自身で取り外しのできるものです。主に就寝時に使用します。

【治療の標準的な費用】
診査料:15,410円(6月以降、変更になる可能性があります)に加えて自費再診料(850円)が必要です。
装置料:31,910円に加えて自費再診料(850円)が必要です。
装置調節料:1回につき4,880円または6,340円に加えて自費再診料(850円)が必要です。

【治療に関するリスクや副作用など】
・つけたその日から長時間お口の中に入れておくのは難しいです。トレーニングが必要になります。
・お子様によって取り外しができるので、外したままになった場合、効果が期待できません。
・経過をみていくなかで別の装置に変更する場合があります。また、矯正歯科に紹介させていただくことがあります。

 

2. 咬合誘導治療:拡大床

【治療の概要】
軽度の叢生(隣り合う歯が重なっている状態)の治療に使用する装置です。装置についているネジを回して歯列を拡大することにより、スペースが生まれ、軽度の叢生が解消できます。ネジは、保護者の方に回していただきます。この装置はお子様ご自身で取り外しのできるものです。ムーシールド同様、事前に診査・診断を行ないます。

【治療の標準的な費用】
診査料:15,410円(6月以降、変更になる可能性があります)に加えて自費再診料(850円)が必要です。
装置料:45,100円に加えて自費再診料(850円)が必要です。
装置調節料:1回につき4,880円または6,340円に加えて自費再診料(850円)が必要です。

【治療に関するリスクや副作用など】
・ネジを回すことにより、歯列の拡大が可能なので、回し忘れると効果が期待できません。
・お子様によって取り外しができるので、外したままになった場合、効果が期待できません。
・装置を乱暴に扱うと破損します。取り扱いに注意を要します。
・経過をみていくなかで別の装置に変更する場合があります。また、矯正歯科に紹介させていただくことがあります。

 

3. 咬合誘導治療:リンガルアーチ

【治療の概要】
多数歯にわたる欠損がある場合、6歳臼歯が移動するのを防ぐ(保隙する)装置です。また、骨の中に埋まっていてなかなか生えてこない歯を引っ張り出す(牽引する)場合にも使用します。この装置はお子様および保護者様によって取り外しはできません。ムーシールドおよび拡大床同様、事前に診査・診断を行ないます。

【治療の標準的な費用】
診査料:15,410円(6月以降、変更になる可能性があります)に加えて自費再診料(850円)が必要です。
<保隙装置として使用する場合>
装置料:18,700円に加えて自費再診料(850円)が必要です。
装置調節料:1回につき3,950円または6,880円に加えて自費再診料(850円)が必要です。
<牽引装置として使用する場合>
処置料:埋まっている歯に対する処置に28,440円以上が必要です。
装置料:38,590円に加えて自費再診料(850円)が必要です。
装置調節料:1回につき3,950円または6,880円に加えて自費再診料(850円)が必要です。

【治療に関するリスクや副作用など】
・お子様の歯にセメントでくっつけますので、食事・間食のあとにこまめに歯磨きが必要となります。
・装置の変形が生じたり、はずれたりすることがあります(ガムなどの粘着性のあるものや著しく硬い食べ物を避けていただく必要があります)。
・経過をみていくなかで別の装置に変更する場合があります。また、矯正歯科に紹介させていただくことがあります。

医師紹介

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科長
氏名 森川 和政<もりかわ かずまさ>
職位 教授
認定 日本小児歯科学会専門医・指導医
日本障害者歯科学会認定医・指導医
日本咀嚼学会健康咀嚼指導士
学位 博士(歯学)
専門 小児歯科治療、障害者(児)歯科治療
氏名 西田 郁子<にしだ いくこ>
職位 講師・病院准教授
認定 日本小児歯科認定専門医・指導医
日本外傷歯学会認定医
学位 博士(歯学)
専門 小児歯科:う蝕治療・予防、咬合誘導、小児口腔外科、非協力児の歯科治療、 障害者(児)歯科治療
氏名 藤田 優子<ふじた ゆうこ>
職位 助教・病院講師
認定 日本小児歯科認定専門医・指導医
日本障害者歯科学会認定医
学位 博士(歯学)
専門 う蝕治療・予防、外傷歯の処置、乳歯・幼若永久歯の歯内療法、 障害者(児)歯科治療
氏名 佐伯 桂<さえき かつら>
職位 助教・病院講師
認定 日本小児歯科認定専門医・指導医
学位 博士(歯学)
専門 小児歯科:う蝕治療・予防、乳歯・幼若永久歯の歯内療法、咬合誘導、外傷歯の処置
氏名 山田 由紀子<やまだ ゆきこ>
職位 医員
認定 日本小児歯科学会専門医
学位 博士(歯学)
専門 小児歯科:う蝕治療・予防、乳歯・幼若永久歯の歯内療法、咬合誘導、外傷歯の処置
氏名 岡本 健太郎<おかもと けんたろう>
職位 大学院生
専門 小児歯科
氏名 高田 和也<たかだ かずや>
職位 大学院生
専門 小児歯科
氏名 木村 梨乃<きむら りの>
職位 大学院生
専門 小児歯科
氏名 野代 友理那<のだい ゆりな>
職位 研修登録医
専門 小児歯科
氏名 深井 友理<ふかい ゆり>
職位 研修登録医
専門 小児歯科
氏名 藤本 麻衣<ふじもと まい>
職位 研修登録医
専門 小児歯科
氏名 山地 遥<やまじ はるか>
職位 研修登録医
専門 小児歯科
                                   
氏名 原野 望<はらの のぞむ>
職位 研修登録医
認定 日本障害者歯科学会 認定医・専門医・指導医
日本歯科麻酔学会 認定医・専門医
学位 博士(歯学)
専門 障害者歯科、有病者歯科、全身麻酔管理、歯科治療時の全身管理
氏名 益田 修太郎<ますだ しゅうたろう>
職位 研修登録医
専門 小児歯科
氏名 川上 紘佳<かわうえ ひろか>
職位 研修登録医
専門 小児歯科
氏名 向坊 友宏<むかいぼう ともひろ>
職位 特別研修員
専門 小児歯科、矯正歯科

 

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