概要
矯正歯科では、矯正歯科治療により、咬合<こうごう>を良好な状態に回復し、生理的障害(実質的な障害)や心理的障害(精神的障害)を取り除き、患者さまが健康的な生活を営めQOLの向上に役立つことを目標としています。
また、包括的歯科治療の考えのもとでの矯正歯科治療により、より良い咬合を構築することも目的としています。
外来担当表
対象となる疾患・症例
- 一般的な不正咬合症例(小児から成人まで年齢は問いません)
- 顎変形症<がくへんけいしょう>(顎離断<がくりだん>が必要な外科的矯正症例)
- 唇顎口蓋裂<しんがくごうがいれつ>および厚生労働大臣が認めた先天異常に起因する咬合異常症例
- 部分的な矯正治療
検査・治療法の特徴
治療に関しては、従来の治療方法だけでなく、新しい治療方法も積極的に取り入れ患者さまに提供しています。
また、他科とチームアプローチを組み、包括的な歯科治療(一般的な歯科矯正治療だけでなく外科的矯正治療、歯科矯正用アンカースクリューなど併用)を目指し、その患者さまにとって最も良いと思われる治療方針を提示しています。
当科を受診される患者さまは、医局員全員による症例検討会で、適格な治療方針・治療方法を決めています。
また、研修歯科医および大学院生には、指導歯科医がマンツーマンで指導を行っていますので、ベテラン、新人を問わず、患者さまに同じ高度な治療の提供ができるので、安心して治療を受けられます。
診療実績
年間患者数: 8,500名(1日平均患者数約35名)
(2023年度実績)
当科で実施している自由診療について
※矯正歯科治療は、厚生労働省が認める疾患以外は、公的保険適用外の自費(自由)診療です。
1. 1期治療(可撤式矯正装置)
【治療の概要】
主に乳歯のみ、または一部永久歯が生えている子供の不正咬合(歯並びの異常)に対して行う治療です。治療に先立って、型取り、エックス線写真撮影、顔や歯の写真撮影などを行って、不正咬合の成り立ちを調べ、矯正治療の方針、方法を立案し、その後取り外しのできる矯正装置を装着して歯の移動や骨の成長のコントロールを行います。必要に応じて複数の矯正装置を併用する場合があります。
【治療の標準的な費用】
相談料 1回につき:5,090円
基本検査料:37,850円~58,940円
(症例によって異なります。エックス線写真撮影料は別途必要です。)
診断料:38,060円
矯正装置料:462,540円
装置調節料(1回につき):4,880円または6,340円(自費再診料が別途必要です。)
【治療の標準的な期間/回数】
1〜2年 / 1か月に1度来院が必要(症例によって異なります。)
2. 1期治療(固定式矯正装置)
【治療の概要】
主に乳歯のみ、または一部永久歯が生えている子供の不正咬合(歯並びの異常)に対して行う治療です。治療に先立って、型取り、エックス線写真撮影、顔や歯の写真撮影などを行って、不正咬合の成り立ちを調べ、矯正治療の方針、方法を立案し、その後取り外しのできない矯正装置を装着して歯の移動を行います。必要に応じて複数の矯正装置を併用する場合があります。
【治療の標準的な費用】
相談料 1回につき:5,090円
基本検査料:37,850円~58,940円
(症例によって異なります。エックス線写真撮影料は別途必要です。)
診断料:38,060円
矯正装置料:462,540円
装置調節料(1回につき):4,880円または6,340円(自費再診料が別途必要です。)
【治療の標準的な期間/回数】
1〜2年 / 1か月に1度来院が必要(症例によって異なります。)
3. 本格矯正治療(マルチブラケット装置)
【治療の概要】
永久歯列の叢生(ガタガタ)、上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)などの不正咬合(歯並びの異常)に対して行う治療です。治療に先立って、型取り、エックス線写真撮影、顔や歯の写真撮影などを行って、不正咬合の成り立ちを調べ、矯正治療の方針、方法を立案し、その後ブラケットという矯正装置をそれぞれの歯に装着して、ワイヤーを用いて歯を移動させます(マルチブラケット装置)。必要に応じて永久歯の抜歯を行う場合や、マルチブラケット装置以外の矯正装置を併用する場合があります。歯の移動が終わった後には、後戻りを防ぐための矯正装置を装着します。
【治療の標準的な費用】
相談料 1回につき:5,090円
基本検査料:37,850円~58,940円
(症例によって異なります。エックス線写真撮影料は別途必要です。)
診断料:62,880円
矯正装置料:560,500円~824,110円(症例によって異なります)
装置調節料(1回につき):4,880円または6,340円(自費再診料が別途必要です。)
【治療の標準的な期間/回数】
約3年 / 1か月に1度来院が必要(症例によって異なります。)
4. 矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。また、発音しにくく感じたり、食事しづらく感じたりする場合があります。数日間〜1、2 週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。特に可撤式矯正装置の場合には、ご自身または保護者の方に矯正装置を着脱して頂く必要があります。矯正装置の使用にご協力頂けない場合には治療効果が得られない場合があります。
- 固定式矯正装置での治療中は、装置が付いているため頬の内側や舌などに傷や口内炎ができる可能性があります。また歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。ガムなどの粘着性のものや、著しく硬い食べ物を食べると、矯正装置が破損、変形する恐れがありますので、食べるのを避けて頂きます。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
- あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
- 1期治療にて治療効果が十分でない場合には永久歯列になった後のマルチブラケット装置等による矯正治療が必要となる場合があります。
医師紹介
科長
氏名 |
川元 龍夫<かわもと たつお> |
職位 |
病院長、教授 |
認定 |
日本矯正歯科学会 管理指導医
日本矯正歯科学会 指導医
日本矯正歯科学会 認定医
日本顎変形症学会 認定医(矯正歯科)
日本口蓋裂学会 認定師(矯正歯科分野) |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 顎変形症 唇顎口蓋裂 先天異常疾患 |
氏名 |
郡司掛 香織<ぐんじがけ かおり> |
職位 |
講師、外来医長 |
認定 |
日本矯正歯科学会 指導医
日本矯正歯科学会 認定医
日本顎変形症学会 認定医(矯正歯科) |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 顎変形症、先天異常疾患 |
氏名 |
黒石 加代子<くろいし かよこ> |
職位 |
病院講師、医局長 |
認定 |
日本矯正歯科学会 指導医
日本矯正歯科学会 認定医 |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 顎変形症 |
氏名 |
宮本 順<みやもと じゅん> |
職位 |
助教 |
認定 |
日本矯正歯科学会 指導医
日本矯正歯科学会 認定医
日本口蓋裂学会 認定師(矯正歯科分野) |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 顎変形症 唇顎口蓋裂 先天異常疾患 |
氏名 |
水原 正博<みずはら まさひろ> |
職位 |
助教 |
認定 |
日本矯正歯科学会 認定医 |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 唇顎口蓋裂 顎変形症 先天異常疾患 |
氏名 |
白川 智彦<しらかわ ともひこ> |
職位 |
助教 |
認定 |
日本矯正歯科学会 認定医 |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 顎変形症 先天異常疾患 |
氏名 |
岩田 大季<いわた だいき> |
職位 |
医員 |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
渋谷 沙央理<しぶや さおり> |
職位 |
医員 |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
堀江 成和<ほりえ せいわ> |
職位 |
医員 |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
伊藤 巧<いとう たくみ> |
職位 |
医員 |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
西澤 悠作<にしざわ ゆうさく> |
職位 |
医員 |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
野口 紗英<のぐち さえ> |
職位 |
医員 |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
福崎 まり<ふくざき まり> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
竹内 紗智子<たけうち さちこ> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
吉村 杏奈<よしむら あんな> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
力丸 早紀子<りきまる さきこ> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
若尾 拓俊<わかお たくとし> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
城間 愛理<しろま あいり> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
田ノ上 並紀<たのうえ なみき> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
西川 朋江<にしかわ ともえ> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
丸山 和輝<まるやま かずき> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
有松 真央<ありまつ まひろ> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
井上 萌李<いのうえ もゆり> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
出嶋 香菜<でじま かな> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
吉田 希海<よしだ のぞみ> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
井口 陽介<いぐち ようすけ> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
江川 凛<えがわ りん> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
小澤 賢真<おざわ かつま> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
峠 智之<とうげ ともゆき> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
西谷 敦<にしや あつし> |
職位 |
大学院生 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
志賀 百年<しが ももとし> |
職位 |
非常勤講師 |
認定 |
日本矯正歯科学会 指導医
日本矯正歯科学会 認定医
日本顎変形症学会 認定医(矯正歯科) |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 顎変形症 先天異常疾患 |
氏名 |
高木 拓樹<たかぎ ひろき> |
職位 |
研修登録医 |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
徐 嘉鍵<じょ かけん> |
職位 |
研修登録医 |
認定 |
日本矯正歯科学会 認定医 |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
中垣 優那<なかがき ゆな> |
職位 |
研修登録医 |
学位 |
学士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |
氏名 |
左合 美紗<さごう みさ> |
職位 |
研修登録医 |
認定 |
日本矯正歯科学会 認定医 |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 顎変形症 |
氏名 |
山地 晃二郎<やまじ こうじろう> |
職位 |
研修登録医 |
認定 |
日本矯正歯科学会 認定医 |
学位 |
博士(歯学) |
専門 |
歯科矯正 |