研究・産学連携 口腔再建リハビリテーション学分野

概要

歯科補綴<ほてつ>治療は、さまざまな疾患や外傷で歯や歯周組織の欠損を生じ、咀嚼<そしゃく>などの口腔機能障害という症状が固定した患者さまに対し、口腔機能を改善するために行う再建医療であると同時にリハビリテーション医療の側面も併せ持っています。私たちは従来の歯科補綴<ほてつ>学を『口腔再建リハビリテーション学』という新しい歯科医学領域として捉え、これまでの『入れ歯』から『インプラント』や『再生医療』を中心とした新しい患者さま中心の歯科臨床への転換を目指しています。臨床では、患者さま中心の歯科医療を目指し、移植を伴わない低侵襲(ミニマルインターベンション)インプラント治療、即時荷重インプラント治療などを積極的に取り入れ、地域の中核病院として、またインプラント治療専門医の教育施設として、高い機能を有する口腔インプラント治療専門診療科を目指しています。研究では、常に国際的に高いレベルを目指し、臨床に寄与する基礎研究を推進しています。教育では、補綴<ほてつ>学分野における歯科保存学、生体材料学との統合型講義・実習を行っています。また、口腔インプラント治療に関する教育では、シナリオベース実習だけでなく卒前教育にもシミュレーション実習を加え、より実践的な臨床教育を目指しています。

口腔再建リハビリテーション学分野

研究テーマ

  • インプラント治療のリスクファクターに関する研究
  • インプラント治療と栄養摂取の関連
  • インプラント治療の臨床研究
  • 唾液腺機能に関する研究
  • 顎骨骨質に関する研究

所属構成員

氏名 細川 隆司
役職 教授
研究内容
  • ・口腔機能低下リスクの解明とフレイル予防戦略の構築
  • ・インプラント治療のリスクファクターに関する研究
  • ・即時荷重インプラント治療の臨床研究
  • ・HMGB-1を利用した下顎骨創傷治癒
氏名 正木 千尋
役職 准教授
研究内容
  • ・骨代謝分析と臨床栄養学的アプローチによる新規口腔インプラント治療ストラテジーの構築
  • ・骨質劣化マーカーを基軸としたインプラント術前診断に関する研究
  • ・物理療法を用いた軟組織創傷治癒に関する研究
  • ・プロバイオティクスの歯科領域への応用
氏名 近藤 祐介
役職 講師
研究内容
  • ・口腔乾燥がインプラント周囲組織に及ぼす影響
  • ・慢性腎臓病が顎骨骨質に及ぼす影響
  • ・口腔インプラント治療の包括的評価
氏名 向坊 太郎
役職 病院講師
研究内容
  • ・ドラッグ・リポジショニングによる口腔機能改善効果の検証
  • ・新規生理活性物質を利用した下顎骨創傷治癒
  • ・加齢変化が唾液腺に及ぼす影響の調査
  • ・パラミロンを使用した抗炎症作用の実証
氏名 宗政 翔
役職 助教
研究内容
  • ・糖尿病による口腔乾燥症発症メカニズムの解明
  • ・CFTRチャネルをターゲットとした口腔乾燥症の新規治療薬開発
氏名 野代 知孝
役職 助教
研究内容
  • ・エンドセリンを基軸としたインプラント周囲粘膜の分子病理学的診断イノベーション
  • ・最終糖化産物AGEsをターゲットとしたインプラント周囲骨吸収の発症リスク解明

担当授業科目

  • 口腔インプラント学(歯学科)
  • 口腔機能再建治療学(クラウンブリッジ補綴学)
  • 歯科インプラント学(口腔保健学科)
  • 臨床推論学Ⅰ
  • 最新応用生命科学
  • 口腔顎顔面画像解剖学概論
  • 総合講義Ⅱ
  • 特殊補綴治療学
  • プロフェッショナリズムⅢ
  • 歯学概論Ⅰ
  • 栄養と食生活

主な実績

原著論文

  • Yamada M, Masaki C, Mukaibo T, Munemasa T, Nodai T, Kondo Y, Hosokawa R. Altered Rheological Property of Saliva with Aging in Mouse Sublingual Gland. J Dent Res. 101(8):942-950, 2022.
  • Hata K, Ikeda H, Nagamatsu Y, Masaki C, Hosokawa R, Shimizu H. Development of Dental Poly(methyl methacrylate)-Based Resin for Stereolithography Additive Manufacturing. Polymers (Basel). 13(24):4435, 2021.
  • Thongpoung S, Masaki C, Nodai T, Munemasa T, Mukaibo T, Kondo Y, Hosokawa R. A new mandibular deformation index predicts amount of bone deformation in edentulous patients treated with an implant-supported fixed prosthesis. J Prosthodont Res. In Press, 2021.
  • Tagahara A, Masaki C, Nodai T, Munemasa T, Mukaibo T, Kondo Y, Hosokawa R. Stress distribution in maxillary central incisors without ferrules: a finite element analysis of post and core systems. Open Journal of Stomatology. 11:251-262, 2021.
  • Obikane Y, Toyono T, Kokabu S, Matsuyama K, Kataoka S, Nakatomi M, Hosokawa R, Seta Y. Myogenic differentiation 1 and transcription factor 12 activate the gene expression of mouse taste receptor type 1 member 1. J Oral Biosci. S1349-0079(21)00100-6, 2021.
  • Sodeyama MK, Ikeda H, Nagamatsu Y, Masaki C, Hosokawa R, Shimizu H. Printable PICN Composite Mechanically Compatible with Human Teeth. J Dent Res. 100(13):1475-1481, 2021.
  • Iwamoto D, Masaki C, Shibata Y, Watanabe C, Nodai T, Munemasa T, Mukaibo T, Kondo Y, Hosokawa R. Microstructural and mechanical recovery of bone in ovariectomized rats: The effects of menaquinone-7. J Mech Behav Biomed Mater. 120:104571, 2021.
  • Monir A, Mukaibo T, Abd El-Aal ABM, Nodai T, Munemasa T, Kondo Y, Masaki C, El-Shair MA, Matsuo K, Hosokawa R. Local administration of HMGB-1 promotes bone regeneration on the critical-sized mandibular defects in rabbits. Sci Rep. 11(1):8950, 2021.
  • Hori Y, Kondo Y, Nodai T, Masaki C, Ono K, Hosokawa R. Xerostomia aggravates ligation-induced peri-implantitis: A preclinical in vivo study. Clin Oral Implants Res. 32:581-589. 2021.
  • Takesue Yano H, Ikeda H, Nagamatsu Y, Masaki C, Hosokawa R, Shimizu H. Effects of alumina airborne-particle abrasion on the surface properties of CAD/CAM composites and bond strength to resin cement. Dent Mater J. 40:431-438. 2021.

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